2023年5月25日
スマートニュース×戸田市、「メディアリテラシー教育」の効果測定結果を公表
スマートニュースは24日、同社のシンクタンク「スマートニュース メディア研究所」が 、埼玉県戸田市教育委員会と実施した、「メディアリテラシー教育」の効果測定プロジェクトの結果を公表した。
この取り組みは、メディアリテラシー教育を受けた児童にはどんな効果があるのかを実証するプロジェクトで、2022年9月~2023年2月の期間、同市立の小学校5年生の児童(全5クラス・合計173人)を対象に実施。
その結果、6カ月間、継続的にメディアリテラシー教育の授業を受講した児童たちは、そうでない児童に比べて、批判的思考力(クリティカルシンキング)や、メディアの知識など、メディアリテラシーの要素として重要な能力が伸びることが判明。
また、メディアリテラシー能力が伸びやすい児童の特徴として、国語・算数の基礎学力や自己効力感の高さが関係するとみられることが明らかになった。
同プロジェクトでは、全5クラスの児童に対して、22年9月と23年2月に効果測定テスト(全9問)を行い、22年9月にはメディアリテラシー教育授業実施前の事前テストを、23年2月には授業実施後の事後テストを実施。両者を比較することで、効果測定を行った。
テストは、批判的思考力が身に付いているかどうかを問う設問が5問、メディアについての知識を問う設問が4問の全9問で構成。
5クラスのうち3クラス(105人)に対して、メディアリテラシー教育の授業を、22年10月~23年2月の間に計7回実施。他の2クラス(68人)には、メディアリテラシー教育の授業は実施しなかった。(公平性の担保のため、23年2月の実施後に、2クラスに対しても授業を行った)
3クラスに向けた合計7回の授業は、22年10月〜23年2月まで月1〜2回のペースで実施。7回のうち5回は教科などの授業(国語、算数、理科、社会、道徳)の内容に沿って、メディアリテラシーのエッセンスを学べる授業を行った。
その結果、22年9月のテストでは、全5クラスとも、効果測定テスト結果に大きな差異は見られなかったが、メディアリテラシー教育実施後の23年2月のテストでは、授業を実施した3クラスは、授業を実施していない2クラスに比べ、正答率が上がっていた。
この結果から、メディアリテラシー教育を受けた児童たちは、メディアリテラシーの能力(批判的思考力、メディアの知識)を身に付けることができる、といえる。
また、学力調査テストと、効果測定テストの結果のデータを照会して分析したところ、メディアリテラシー教育の伸びが大きい児童には、2つの特徴が見られた。1つは、国語・算数の基礎学力が高い児童ほど、伸びが大きいこと。もう1つは、自己効力感の高い児童の方が伸びが大きかったということ。
分析結果から、メディアリテラシー能力と基礎学力や、メディアリテラシー能力と自己効力感の相関の強さが示されたことになる。
同研究所では、23年度も継続的に、同市立小学校の5年生を対象に、人数を拡大して測定を実施する予定。また、今年度は、同市教委の協力のもと、メディアリテラシー教育授業案を作成し、実施ができるように支援していく。
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