2026年6月19日
AIスキルは“必須要件”へ、約9割が年収に影響と回答 =ジェイ エイ シー リクルートメント調べ=
ジェイ エイ シー リクルートメントは17日、同社が運営する転職サイトにて、中途採用に関わっている企業の採用担当者・人事責任者1017人を対象に実施した「企業の採用担当者がハイクラスに求めるAIスキルと市場価値」に関する調査結果を発表した。
それによると、企業全体におけるAI活用の進捗を見ると、「非常に進んでいる(26.4%)」と「ある程度進んでいる(55.3%)」を合わせ、81.7%がAI活用を進めていることが分かった。
さらに業種別に見ると、AI活用が「非常に進んでいる」と回答した割合は「メディカル・バイオ」が42.4%と突出して高く、次いで「コンサルティング」(30.1%)、「製造」(29.9%)と続いた。
メディカル・バイオ業界においてAI実装が顕著に先行している背景には、創薬や医療データ解析など、AIが競争力に直結しやすいという産業特性がある。
現場からのAI活用ニーズについて見ると、「頻繁に要望や声が上がる」(33.8%)と「ときどき要望や声が上がる」(54.4%)を合わせ、88.2%でニーズがあることが分かった。
これは、AI活用が経営層主導にとどまらず、現場レベルでも業務効率化や課題解決の手段として期待されていることを示している。
ハイクラスの採用では、89.3%が「AIスキルを重視している」と回答した。具体的に求めるスキルとして上位に挙がったのは、「AIツールの日常的な業務活用」(47.5%)、「AI活用領域の見極め・課題設定力」(38.1%)、「AIの基礎知識」(36.0%)だった。
この結果から、企業は基礎知識やツール操作にとどまらず、「どこにAIを適用すべきか」を見極める力、すなわち事業成果につなげる上流設計力を求めていることが分かる。
ハイクラスの転職において、AIスキルがオファー年収に与える影響を見ると、「非常に影響する」(34.9%)と「ある程度影響する」(54.6%)を合わせると、89.5%の企業がオファー年収に影響すると回答した。AIスキルは、採用評価だけでなくオファー年収を左右する重要指標として定着している。
ハイクラスのAIスキル水準について見ると、約6割(59.8%)が「求める水準に達していない」と回答。業種別に見ても大きな差はなく、いずれの業種でも約6割が「求める水準に達していない」と回答した。 実務を牽引できるレベルの経験・スキルを備えた方が、あらゆる業種で不足していることが明らかになっている。
AIが普及する今後のビジネス環境において、企業はハイクラスに対し「新規事業・イノベーション創出」(40.6%)や「データに基づく意思決定」(34.0%)、「AIやテクノロジーの進化を前提に物事を考えられる思考力」(31.2%)といった資質を強く求めている。
また、AIスキルを持つ人を雇用するメリットとしても、「DX推進スピードの加速」(32.9%)や「高度なデータに基づく意思決定」(28.8%)、「新規ビジネス・サービスの創出」(28.1%)が上位に挙がった。
企業は、AIを前提に「意思決定・DX推進・新規事業創出」をリードできる存在を求めている。 一方で、これらを単独で担える人は限られており、前章で示されたスキル不足の背景にもなっている。
このような深刻な人材不足に対し、企業側もアプローチを変えつつある。AIスキルを持つハイクラスの採用・育成に関する今後の方針として、「AI研修・教育の強化」(39.7%)や「AI関連の資格取得・学習支援」(36.0%)、「社内AIプロジェクトの実践機会の創出」(30.7%)といった育成重視の姿勢が示された。
また、採用したハイクラスにAIスキルが不足していた場合でも、「AIツール・仕組みによる業務補完(本人の負荷軽減)」(40.2%)や「AIスキルがある社員との協業推進」(34.9%)、「OJT・メンターによる個別支援」(31.4%)といった対応が取られている。「完璧なAI人材の採用は難しい」という前提から、採用後の育成やチーム連携を前提とした戦略へシフトしている。
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