2014年1月30日
玉川学園/授業公開「授業目標達成のためのICT活用」を開催
玉川学園は29日、低学年(小学校1年~4年)で、「授業目標達成のためのICT活用」をテーマに授業公開を行った。
玉川学園低学年では2011年、全教室に電子黒板と実物投影機を導入、ICT活用授業を開始した。今年3回目となる公開授業は、第1回の「とにかく使ってみる」第2回の「活用する」から「授業目標達成のための活用」へと進化し、「1年生学びの技」「2年生数学」「2年生英語」「3年生国語」「3年生社会」「4年生理科」「4年生美術」「4年生情報」の8つの授業が行われた。
2年生の英語の授業では、外国人教師が書いたアルファベットを子どもたちが発声すると、日本人教師が文字を吹き消すというマジックのような演出で興味を引きつけたり、文字の組み合わせで単語が出来る様子を板書でみせるなど、電子黒板を活用していた。
玉川学園では幼稚部から英語活動を開始し、幼稚部~1年は週1回、2~4年では週2回の授業を行い、自ら発信する英語力の素地を養うことを目標にしているという。
3年生の社会は、昔の道具と生活していた人々の暮らしについて調べ、現在の道具や生活と比較しながら、現代の便利さに気づき暮らしの変化を実感させるというもの。
授業では、実物の黒電話に触れる体験をしたり、2人で1台のiPadと図鑑や写真を使いながら調べて考える学習を組み合わせて行われた。子どもたちがiPadを扱う手元は慣れたもので、タップやドラッグはもちろん、二本の指を使って画面の拡大・縮小をおこなうピンチアウト・ピンチインも自在に使いこなしていた。
授業の最後には、電子黒板を使って調べた結果を発表するプレゼンテーションまで行い、ICTを活用した授業の流れが構築されていた。
その他の授業でも、電子黒板や実物投影機が授業の中で自然に使われており、3年間の経験の蓄積を感じさせた。
授業公開後のパネルディスカッションでは、藤樫啓太教諭が「体験活動とICTとの融合への挑戦」と題して、iPadのカメラ機能を使った調査に基づく地図作成授業を報告。
小宮拓教諭は、ICT活用授業で欠かせないデジタル教材作りについて「デジタル教材の自作への挑戦」と題して、40時間かけた準備教材や5分で出来たまとめ教材を紹介。ICT活用授業における、デジタル教材準備の課題を提示した。
パネルディスカッションの最後をまとめた、玉川大学教職大学院の堀田龍也教授は、「前の学習と今の学習がどう繋がっていて、次のどの学習と繋がっていくのか。1時間の授業として有効だったというレベルから、子どもたちの能力をどんどん伸ばしていくために、カリキュラムレベルでものをみる必要がある。子どもたちの思考能力の向上が、どの教科のどの場面で発揮されるのか、小学校だから教科横断的にみていくことが大切だ」と今後の展開と課題を述べた。
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