2014年5月8日
京都大学/デジタル絵本による教育効果の可能性を示唆
京都大学は2日、正高信男霊長類研究所教授らの研究グループが、デジタル絵本による独自の教育効果の可能性が示唆されることを発見したと発表した。
4歳児15名に、「たなばたバス」という絵本のデジタル版を、6日間にわたり、毎日2回、「よみきかせ」を経験させたところ、読めるひらがなの文字数が平均して3文字増加した。一方、従来の紙媒体の絵本で「よみきかせ」を行った別の15名では、そうした学習は起こらなかったとしている。
ただし、使われたデジタル絵本はただ単に、印刷物をデジタル化したものではなく、ストーリーがプロのナレーターによって、ナレーションとして流れ(ナレーション機能)、読み上げられる文字がその都度、画面上で赤く彩りされる(ハイライト機能)ようにプログラムされたものであり、印刷された絵本にはない特徴をそなえている。
正高教授はこの研究結果について、「デジタル絵本のほうが従来の印刷された絵本よりすぐれていると主張するつもりはない」とし、子どもに絵本を読んでやれる時間をとれないときに、デジタル絵本を効果的に活用することで読みの能力を伸ばすことができるといったような、柔軟な対応の可能性を示唆したものだとしている。
本研究成果は、欧州科学誌「Frontiers in Psychology」誌にオンライン掲載される。
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