2016年3月28日
先生が学ぶ スクールタクト使いAL用教材作成するアイデアソン
日本デジタル教科書学会は27日、授業支援ツール「スクールタクト」の協力で、教師を対象に、子どもたちが夢中になるアクティブ・ラーニング教材を一緒に考える「Let`s アクティブ・ラーニング!ICTを活用した教材作りアイデアソン」を東京・日本橋のサイボウズで開催した。
今回のアイデアソンは、授業支援ツール「スクールタクト」を使い、男女半々で30名いるクラスを想定した単元別のアクティブ・ラーニング用ワークシートを作成するというもの。
はじめに、参加者を小学算数、理科、国社、中学数学(理科)、英語でグルーピングして4~5人でチーム作り、アイデアシートにチームとして考える「アクティブ・ラーニングとは」、「どの単元にするか」、「どんなワークシートにするか」などを決めて記入、それに沿って各自がスクールタクト上でワークシートを作成する。
各自のワークシートを、スクールタクトで共有してプレゼンし合い、その中から一つに絞ってブラッシュアップ、チーム毎にプレゼンテーショした。
中学理科の水溶液とイオン「水溶液の電気伝導性」の単元用ワークシートでは、水溶液かどうかを横軸、電流が流れるかどうかを縦軸にしたワークシートに液体の単語を記入する。
色の違いは言葉のソースを表し、自信のあるなしを表したもの。発表者からは、「“つながり”を意識した学びをテーマに考えた。自信があるものは大きな文字で、自信がないのは小さな文字でと、気持ちを文字の大きさで自在に表現できるのはデジタル教材のメリットであり、活用したかった」と、アイデアのコンセプトが語られた。
英単語の記憶法という難しいテーマに挑戦した「英単語学習ワークシート」チームは、「アクティブ・ラーニングとは、互いに自分のアイデを出し共有するなかで新しいアイデアを生み出す学習法」と位置づけ、英単語の起源と記憶法を生徒各自が関連づけて考え、スクールタクトで共有するという学習法を提案した。
例えば、「もやし」はなぜ「Bean sprouts」なのか、と。
ワークシートには課題となる単語と、発表用の四角の枠があるだけ。その枠の中に生徒は自分の思いついた説明を記入したり、絵を描いたり、写真を撮って貼り付けたり、インターネットで見つけた画像を貼り付けたりと、あらゆるソースからアイデアを引用することが出来る。
発表者は、「単語を覚えるのはひたすら暗記、という個人学習になりがちだが、この学習法で生徒は30種類の記憶法を経験することが出来る。その中には、自分では思いつかない方法で、自分のより覚えやすいやり方もあるのではないか」と、共有することで広がる学び可能性を示した。
全チームのプレゼンテーション終了後、総務省情報流通行政局情報通信利用促進課の 御厩祐司課長、デジタルハリウッド大学院の佐藤昌宏教授、多摩市立愛和小学校の松田孝校長、日本デジタル教科書学会の片山敏郎会長による審査行われ、「英単語学習ワークシート」を考えたチームが第1位を獲得した。
今回のアイデアソンついて日本デジタル教科書学会の片山会長は、「デジタル教科書学会は、設立趣旨にもあるように『デジタル教科書・教材に関する学術的な研究および授業実践を行い、その効果や意義を発信すること』を目的にしており、デジタルを活用した学び方の開発や普及も視野に入れている。ICTを活用した学びについてはまだまだ確立されていないことが多いので、今後も今回のような取り組みを続けていきたい」と、ICTを活用した新しい授業の開発を進めることを示唆した。
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