2016年9月27日
宇宙空間の分子が放つ新しい発光現象を初めて観測
首都大学東京、理化学研究所、イエテボリ大学からなる研究グループは26日、宇宙空間のような真空中で孤立した分子に起きる「再帰蛍光」という発光現象を初めて観測したと発表した。
再帰蛍光は、分子自身の振動エネルギーによって分子内の電子が励起されることで起きる発光現象。30年以上前から理論的に存在が予言されていたが、孤立した環境に分子を閉じ込める実験の困難さから、これまで再帰蛍光と明確に識別される現象は観測されていなかった。
今回、研究グループは首都大学東京に設置された「静電型イオン蓄積リング」を用いて、分子負イオンC6-を閉じ込め、そこから放出される再帰蛍光を検出することに成功した。今後、再帰蛍光の性質を詳細に調べることで、分子内・分子間でのエネルギーのやり取りに関する知見が深まることが期待される。また、今回の発見は宇宙空間における分子の生成過程を知る上でも重要だとしている。
研究成果は、23日付けでアメリカ物理学会が発光する英文誌Physical Review Lettersに発表された。
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