2016年10月4日
佼成学園、発展途上だが可能性拡がるICT活用授業を公開
佼成学園中学校・高等学校は3日、教育関係者を対象に、1人1台iPadを活用したICT授業を公開した。
同校では本年度、BYOD(個人所有の端末を持ち込む)方式による全生徒1人1台iPad導入を決定。昨年度導入した高校2年に加え、本年度は中学1年から高校1年の配付を実施。来年度の新入生に導入することで、全校生徒1人1台BYODを実現する。
今回の公開授業では、普通教室全室、理科実験室などに設置された電子黒板プロジェクターやWi-Fi設備、1人1台のiPadに加え、「Classi」「ロイロノート・スクール」「スタディサプリ」などのアプリケーションを利用した中学全クラス、高校1年の授業が公開された。
中学1年の国語「ニュース制作」の授業では、グループでディレクターやアナウンサー役を決め、ロイロノート・スクールを使って写真を選んで編集、最後に制作したニュースを発表するという、アクティブ・ラーニング的な授業も行われていた。
高校1年のコミュニケーション英語の授業では、問題の回答時に手書きで回答する生徒もキーボードを打ち込む生徒もいて、iPadの利用の際に懸念される「キーボード」への慣れについて、外付けキーボードで対応可能なことが伺えるとともに、タブレット利用の多様性を感じさせた。
今回の公開授業について榎並紳吉校長は、「積極的にICTを導入して活用に取り組んできたがまだまだ発展途上で、研究、研修の必要がある。公開授業を通じて意見を頂いたりしながら、更に成長をしていきたい。ICT活用の成果については、コミュニケーションの向上で顕著だ。生徒と教師、生徒と生徒、教師と教師、また学校と家庭とのコミュニケーションにも役立っている。男子中学生は総じてシャイでコミュニケーション下手だが、ロイロノートなど使って全員参加することで刺激を受け活性化する」と、ICT活用のメリットを語った。
また、「BYODということで気をつけなければならないのがゲームや動画サイトなど余計な方向に嵌まること。中学生ではアクセス制限もしているが、そういうものがなくても利用できるように指導していきたい」と、リテラシーの向上が必要だと述べた。
佼成学園のICT委員会委員長としてICT教育導入を進めてきた簗瀬 誠教頭は、今後の展開について、「ICT活用はもちろんアクティブ・ラーニングなどについても、公立の小中学校が取り組んでいるのに私立がやらないわけにいかない」と、積極的な意気込みをしめした。
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