2021年9月1日
新型コロナ感染拡大で保護者の半数が収入減=セーブ・ザ・チルドレン調べ=
セーブ・ザ・チルドレンは「子ども給付金 新入学サポート・高校生活サポート2021」アンケート調査を実施し、8月31日にその結果を公表した。
東日本大震災で被害を受けた東北沿岸部において、経済的に困難な状況にある子どもや子育て世帯の現状、必要とされる支援の内容を把握することを目的に、2016年から実施しているもので、今回で4回目の調査となる。東北3自治体における経済的困難世帯の中高生・高卒生261名と保護者466名から回答を得た。
それによると、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関して、収入が減少した世帯は50%に及んだ。就学初期費用について、新入学の小1、中1、高1の保護者のうち78.2%が「制服・体操着代」を特に負担に感じていると回答。また、卒業時にかかる卒業アルバム代(平均1万円~2万円)が負担と回答した保護者が20.4%に上った。
子どもの高校就学について、高校生および今年3月に高校を卒業した子どものいる世帯の32.2%が「経済的な理由により高校就学を続けられない可能性がある」と回答、そのうち27%の世帯で授業料が最も大きな負担になっていた。
高校卒業後の進路に関して、保護者の33.9%が大学またはそれ以上の教育を「経済的に受けさせられない」状況にあると回答。また、「進学したいが経済的に不安がある」と回答した高校生は24.1%であった。
高校生および今年3月に高校を卒業した子どもがいる世帯の35.3%が高校生等奨学給付金を「利用していない」もしくは「わからない」と回答。そのうち「高校生等奨学給付金を知らなかった」世帯が40.9%に上った。給付型奨学金が拡充されたことについては、保護者の55.9%、子どもの60.5%が「知らなかった」と回答した。
こうした結果を受け、同団体では教育費をはじめとした子どもに関する公的支出を増やしていくことを中長期的に求めるとともに、関係省庁や地方自治体が速やかに講じるべき対策を提言していくとしている。
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